今日、大阪より友達が来てならまちを少しぶらぶらとしました。
連休の最終日とはいえ
本当に着物をきてぶらぶらとするには、絶好の季節です。
実はそのお友達…18歳になるお嬢様の成人式用の振袖を見に、私の知り合いの呉服屋さんにいらしたのです。
おかあさま(私の友人)の振袖用の帯を娘に譲り、その帯に合うお着物を見立てたいとのこと・・・。
着物というのはつくづく素敵だなと思いました。
親から子へと譲り、受け継いでいってほしいという気持ちが、まさに形となって残っていくのです。
きっと彼女のその振袖と帯は、彼女のお母様がわが子の晴れ姿を想像して一生懸命に選ばれた 想いのこもった一点でしょう。
その想いを受け継ぎ、娘がまたその娘(孫)へと譲っていく・・・。
なんと、そのひとつの着物によって3代に亘っての心が結ぼれるのです。
しかし、大切なのは――、
受け継ぐほうにその思いがないと、受け継ぐことができないということ。
そして、受け継いでもらう器(うつわ)というものは、一朝一夕ではできないということ。
何か・・・私たちの携わっている世界(伝統芸能)と似通っています。
また、驚いたことに・・・
お友達の持参してきた帯が、素敵な帯で、その織の技術がしっかりしていて、デザインも古典に基づいているのですが新鮮でちっとも古くないのです。
その証拠に、どの着物に合わせても良く似合うのです。
彼女のお嬢様もびっくりしていました。
「本当にママが、若いころにしていた帯なの?
ちっとも古くない!」
わたしは、思わず言いました。
「いいものっていうのは、ず―っと見ていても飽かないでしょう。」
そうなんです。
自然というものが何度見ても見飽きないように、いいもの・本物というのは見飽きることがないんです。
そして、何度見ても感動するのです。
本物の威力というのでしょうか
いいものはいいのです
古いも新しいもないのです
あらためて思いました。
日本の伝統のよいものを受け継ぎ、残し、そして次代に渡していくことの大切さを・・・。
そして・・・
なによりも、ほんものを残してく大切さを・・・。