今、奈良の町は『正倉院展』でたいへん賑わっております。
遥かいにしえに、中近東よりシルクロードを渉って伝わってきた文化や芸術品の数々を間近に見ることが出来ます。
その中には、日本の芸術のもととなったものもあるでしょう。
舞手にとってなくてはならない地歌三絃・三味線もそのルーツを辿れば、中国よりはるか西…エジプトにまでおよぶと聞いています。
ところ変わればしな変わるとでも言うのでしょうか、エジプトではニシキヘビの皮を使っていた三味線のもとの楽器が、中国・・・そして琉球では三線(蛇味線)となり、上方(大坂・堺)に伝わった三味線の胴は犬や猫の皮を使って作られるようになりました。
エジプトのそれはいったいどんな音色を出していたんでしょう?
それぞれの伝わる国によって、そこに住む人たち、その国の風土や歴史などの環境や条件によって、ひとつの楽器が大きく変化していくようすを想像すると感慨深いものがあります。
また日本に伝わってきた三味線においても、琉球のそれとは違うよに・・・、
その後いろんな種類の三味線芸術が生まれます。地歌・義太夫・長唄・清元・常磐津・津軽・小唄・柳川・・・。
日本の中においてさえも、それぞれの風土や土地柄によって新しい音色が生み出されました。
まさに、日本の音色が各地で生まれたわけです。
中近東より伝わったとされるひとつの楽器に、たくさんの人やものの歴史や思いが覆いかぶさります。
地歌舞もそのルーツを辿れば、どこにいくのでしょうか?
そんな興味の尽きない正倉院展・・・。
その正倉院展で賑わっている奈良の町・・・。
11月3日の
山村流地歌舞 “なら 玉響の会”
大和仮名の女文字と喩えられた山村の地歌舞・・・。
ひとりでも多くの方にお越しいただけたらと願っています。
ぜひ、正倉院展とあわせておたのしみください。
山村流地歌舞“なら 玉響の会”
会場・ならまちセンター
日時・第1回公演11時半より
第2回公演 3時より
(公演時間・両公演とも約1時間40分)
出演・六世宗家 山村 若
山村若禄之(賛助出演)
山村若女他 門人・・・
*当日券あり(5500円)