先日のならまちナイトカルチャーでの文化講座『シルクロードを渡ってきた日本の舞文化』は、
無事に終えることができました。
地歌舞の伴奏楽器・三味線に光をあて、
そのルーツを
シルクロードに求め、
浅学ながらお話をさせていただきました。
三味線は、
永禄年間に琉球より堺に伝わり、
盲目の琵琶法師の手により流布されたと言われています。
日本音楽の中で、
三味線の登場は、画期的な影響を与えました。
それは、地歌の三味線を始めとして、
義太夫、長唄、常磐津、清元、端歌、小唄、新内、津軽三味線・・・等
その種類の多彩さを見ると
いかに日本の文化として浸透していったかが見て取れます。
琉球では爪弾きだった三絃が、
琵琶法師が広めた事により、
本土では、撥を持つことになり、
そして、
蛇の皮が、猫や犬の皮に変化し、
その音曲も風合いも風土によって変化していきました。
また、
三味線も琵琶も、さらにそのルーツを・・・と、さかのぼると、
中国からシルクロードを渡り、
インドやモンゴル等を超えて、
遥か遠くの・・・ペルシャ、エジプトへとつながります。
私は、
遥か古代に想いを寄せるのが好きです。
今、
ここ、
日本の、
奈良で、
自国の舞を舞うとき・・・、
時間と空間が一気に通り抜け、
ひとつに繋がります。
つながりたいと希望しているのかもしれません。
大したお話もできず、
勉強不足を痛感いたしましたが、
このような機会を与えていただいたことに感謝致します。
ありがとうございました。
今後も自分なりの考察を深めていきたいなあと改めて感じました。
当日の様子を弟子が写真を撮ってくれましたので、紹介させていただきます。
まずは、正倉院展に因んで、シルクロードの影響を受けた三味線のこと等を交えながら、上方舞のお話を・・・。
まず、地歌舞には欠かせない燭台が運ばれました。
私、若女の『越後獅子』です。
獅子もシルクロードを渡って日本に入ってきました。
若乙女・若日女による、
楽しい作物(滑稽もの)の地歌舞『蛙』を紹介。
当日手渡した資料から・・・。
正倉院に残る『五弦琵琶』
らくだに乗った胡人が四弦琵琶を奏でている
『螺鈿紫檀琵琶(四弦)』 (聖武天皇ゆかりの品)
紅牙撥鏤(こうげばちるの)
左:三味線のルーツと言われているイランの楽器『セタール』(三弦という意味があるらしい。
2番目:三弦(中国) 3番目:三線(沖縄) 右:三味線(細棹)
正倉院所蔵伎楽面・獅子面(東大寺大仏開眼供養に用いられたのではないかと言われている)