ぐち・・・思いつくままに・・・。その2

私にとっては・・・冒険です。

『ぐち』。

前回、何てことない曲です、なんて書きましたが・・・。

とんでもない!名曲です。

男女の逢瀬の楽しみと別れのつらさを、

さらっと・・・

歌い上げた いかにもおとなの曲です。

それでいながら、

なんとも艶っぽく、粋で上品な色香が漂います。

これが、私の持つ『ぐち』の印象です。

当流(山村流)では、

何てことない(これが曲者です)振りが付いており、

情感あふれるきれいな曲調や 粋な歌詞をこわさぬよう、

つかず離れず・・・の

実に洒落た作品になっています。

こんな作品を、何気なく舞うのは・・・とっても困難です。

ぐち・・・。

地歌舞の中でも いわゆる座敷舞の代表的な名曲と言えましょう。

何度もいいますが、

この作品を さりげなく舞う・・・。なんと、大変なことでしょう!

設定としましては たいていは・・・、

芸妓(遊女)ということになります。

男女の仲には色々ありますが、夫婦で無いことは確かです。

夜明けを告げる烏に文句を言い、

明けの鐘に心慌てるのですから。

心ならずも・・・別れが待っているわけです。

愛し合う者同士にとって 

この別れというものほど切ないものはありません。

そのなんとも言えない 恋ごころを心に秘めて、

上品に女の色気を舞う・・・。

これが、私のイメージする『ぐち』です。

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