7月7日の貴船神社の水まつりで、舞の奉納をさせていただきますが、
今年でそのご縁を頂いて何年になるのでしょう?
平成5年の水まつりから勤めさせていただいておりますので、
早いもので14年になります。
確かその前年の秋に・・・、
百太夫さまをまつられていることを知り、
奥宮において舞の奉納させていただきました。
演目は、何だったのでしょう?
たしか、地歌の虫の音?こすのと?
いや、それともからくり的?
申し訳ないですが、はっきりと思い出せません。
ただ、ずいぶんと寒かったことを覚えています。
11月だったと思いますが、
人けのない神さびた奥宮での奉納に、貴船の秋は早や初冬を迎えていると感じました。
何よりも感心しましたことは、宮司様の凛としたお姿でした。
小一時間近くかかった舞の奉納のあいだ、微動だにせずに直立されて
私どもの舞の奉納を見守ってくださっていました。
奉納させていただいている私でさえ少し肌寒さを感じたのに、
拝殿の前でじっと立たれていた宮司様はどんなだったのでしょう!
今思い出しても、ただ感謝するのみです。
その折に、宮司様がおっしゃいました。
「何年か前に、鉄砲水が出て崖が崩れたので山肌が見えて緑が少なくなりましたが、
それまでは、この奥宮は昼間に来ても身の毛がよだつほど鬱蒼としていました。」
貴船の山あいにひっそりと建つ貴船のお社での奉納―――
広い境内に 古来きっと舞の奉納がされてきたであろう神楽殿が主張せずに 楚々とたたずんでいました。
季節の持つ寂しさとお社の侘しさが妙にマッチして
ひじょうに感慨深いものがありました。
懐かしい思い出です。
その後もう一度奥宮で奉納させていただきましたが、それきりになっています。
またぜひ、ご縁を頂きたいと存じ上げます。
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