日本人にとって『虫』とは、何だったんでしょう?
広辞苑で『虫』を調べてみると・・・
むし【虫】
?人類・獣類・鳥類・魚介類以外の小動物の総称。昆虫など。
?その鳴き声を愛して聞く虫。鈴虫・松虫など。
?蠕形(ぜんけい)動物の称。特に回虫。
?回虫などによって起こる腹痛など。
?潜在する意識。ある考えや感情を起こすもととなるもの。
古くは心の中に考えや感情をひき起こす虫がいると考えられていた。
?癇癪(かんしゃく)。
?愛人。情夫。隠し男。
?産気づいて起こる陣痛。
?(ァ)ある事に熱中する人。
(ィ)ちょっとした事にもすぐにそうなる人。
以上のような興味深い意味がありました。
古代の人たちは、考えをひき起こす虫がいてると考えていたようです。
そのために次のような言葉が生まれたのでしょうか?
虫が知らせる。
虫が治まる。
虫が好かない
虫の居所が悪い。etc…
『虫』というものが、単なる昆虫というような物としての対象物として見るのではなく、人間の目に見えない『心』・人間を司っている『意識』『魂』というような抽象物として捉えていた側面もあったようです。
虫の音色や川のせせらぎのおとを雑音としてではなく、美しい音色として・・・、そのものの持つ情緒を感じ表現しようとして、さまざまな擬声語や擬音語が生まれたのでしょうか?
虫からさまざまなメッセージを受け取っていたのでしょうか?
また、『虫』には愛する人の意味もこめられていたようです。
秋の寂しい夜に鳴くさまざまな『虫』の声…
それは、それぞれの人々の愛する人たちの声…
誰を松虫なき面影を 慕う心のほにあらわれて・・・
この地歌『虫の音』の一節に籠められている想いが伝わってきます。
つづく・・・
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