地歌 からくり的考

地歌舞 『からくり的』

作詞作曲不詳の『からくり的』は、作ものと言われるおどけものジャンルに入る地歌舞です。

「からくり的」(機関的)とは、小さな弓で的に矢を当てると、様々な人形が天井から落ちてきたり、的が裏返ったりして現われる仕掛けのことです。
このからくり仕掛けを題材にした変化ものの作品『からくり的』は、地歌のなかでも異色の作品といえましょう!
初めてこの舞を見た時には、地歌舞にもこんな面白いものがあるんだ!と驚き、やってみたいな・・・と思ったのが第一印象でした。
舞の中では、からくり人形のフワリフワリした不安定な動きやカタカタとゼンマイ仕掛け人形の動きの面白さが軽妙に表現されています。
また、的に当たって出て来る人形も様々で、那須与一を思わせる星兜を着た武者・道成寺の清姫・廓を抜けた遊女と頬冠りの男・一糸乱れず整然と進む大名行列・羅生門の鬼の手・そして…最後は、吉祥を現す下がり蜘蛛を出して締めくくります。
それぞれの人物に彩りがあり、その個性を洒脱な技巧であくまでも地歌舞の表現として舞い分けるのは難儀です。
今回は若瑞が舞います。若い感性でのチョットした謎解きふうの洒落た地歌舞をお楽しみいただけたらと思います。

※日本のからくりの歴史は古く、『日本書紀』の斉明天皇4年(658年)に見られる指南車が最古のものと言われています。

<歌詞>

面白や 人の行来の景色にて 世はみな花の盛りとも 的のたがはぬ星兜 魁(さきがけ)したる武者一騎 仰々しくも出たばかり そりゃ動かぬわ引けやとて かの念力にあらはれし 例の 鐘巻き道成寺 いのらぬもののふわふわと なんぼうおかしい物語 それは娘気これはまた 曲輪をぬけた頬冠り おやまの跡の色男 立ち止まりてはあぶなもの 見つけられたる泡雪の 浮名も消えて元の水 流れ汲む身にあらねども 変わる勤めの大鳥毛 台傘立て傘 挟みばこ みな一様に振り出す 列を乱さぬ張り肱の 堅いは実にも作り付け さてその次は鬼の手のぬっと出したは見る人の 傘つかむかと思はるる それを笑いの手拍子に 切狂言は下がり蜘蛛 占(うら)良し 日良し道しるべ よい事ばかりえ

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