格子の家御礼によせて・・・。

ご報告が大変遅くなりましたが、

先日(4月27日)のならまち格子の家での上方舞鑑賞会は、

大勢の方々にお越しいただき、

盛況の内に終わらせていただくことができました。

ありがとうございました。

お天気にも大変恵まれ、

汗ばむ陽気となり、

久しぶりに、立方の私も格子の家での舞いに汗をかきました。

今回の格子の家では・・・、

みどり会の方々によるお茶会が催されていましたので、

お茶に因んだ曲をと思い、

娘の若瑞には『茶音頭』を舞わせました。

まだ、高校生である若瑞は、

髪を緋色の鹿の子や櫛や簪を挿した新日本髪に結って、

鮮やかなローズ地に四季折々の花を描いた八寸袖の訪問着を着て舞いました。

お茶の心得などあまり知らない若瑞が、

『茶音頭』という作品をどこまで舞えたか?とたずねられると、

十分に!などとはとっても答えられませんが・・・、

娘を見ていて、

つくづく、地歌舞のふところの深さ、面白さを思いました。

それぞれの年齢の持つ色香や佇まい、

そしてその人の人となりが、

作品を作り出すような気がいたします。

十代の生娘の初々しい色香もあれば、

牡丹の花のように華やかな色香・・・、

楚々とした可憐な色香・・・、

臈(ろう)長けた、熟練の技がさえる色香・・・、

そして、落ち着いた古木のような色香・・・。

人にはそれぞれの色香があり、

特に、この茶音頭という作品にはその匂いが香りたちます。

その底辺に流れているのは、品よく舞うということです。

それほど難しい振りが付いているわけではありません。

それだけに舞手の佇まいが作品に立ち現われるのでしょう。

何度も舞いたくなる好きな作品の一つです。

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