一昨日、第26回のならまち格子の家上方舞鑑賞会が無事終わりました。
お越しいただいた方々、また関係者のみなさまありがとうございました。
当日は・・・、
午前中はお天気が良かったのですが、
ちょうど、鑑賞会が始まる頃から少し曇りだし・・・、
前日とはうって変わって肌寒い一日でした。
その夜のニュースで今年一番の木枯らしが吹いたと知り、
冷暖房の効かないうえ、吹き抜けの格子の家での鑑賞は、
大変寒かったでは?と心配しております。
そんな中での一時間半の公演は、お越しいただいた方にとっては厳しいものがあったのではないでしょうか。
あらためて・・・、みなさまに感謝申し上げます。
私は、今回の格子の家では『八島』を舞わせて戴きました。
当流(山村流)では、
まず、網代笠を手に静かに舞い始め、
次に、激しい源平の戦いを描写する象徴として長刀の振りがあり、
そして、二枚扇を用いた緊迫した動の振りに移り、
最後は、また静かに舞い納めます。
地歌舞としては珍しく動きのある修羅の舞です。
格子の家は、もともと鑑賞用に設えられたホールではありませんので、
舞えるスペースはほんの4畳ほどの広さです。
天井も手を伸ばせば付きそうな高さで、
屋根の形がそのまま天井になっているので斜めに切れており、
そのうえ、大きな真っ黒い梁が舞台の中央上に通っています。
そこで、長い長刀を振るのはとうてい無理なので、
白木の棒で代用させていただくことにしました。
でも、小道具屋さんが用意してくれたそれは、私の背の高さとさほど変わらないものでした。
思わず、うぬっ・・・!
と息を呑みましたが、
そこは・・・、
ここで引いては女(?)がすたる!この挑戦受けて立とうではないか!と、
反対に気合が沸いてきた次第です。
(そういえば・・・、電話で「長ければ、切ってくれていいから。」と言ってたなあ・・・。そんな、もったいない切るわけにはいきません。)
結果・・・、
おかげ様で、なんとか振ることが出来ました。
幾つか、思うように扱えなかった…反省点はありますが、
あらためて、座敷舞の面白さ、また奥深さを舞手の私自身が味わうことができました。
舞うスペース、その時と場所にあわせて、臨機応変に舞う・・・、
ということは容易なことではありませんが、
舞手にとっては、普段の稽古の力を試すというチョットした醍醐味と面白さがあります。
大きな舞台で思いっきり舞うというのも気持ちがいいものですが・・・、
限られた空間で思いっきり舞うというのもまた違った気持ちよさ・・・、
というより妙味があります。
それは、
小さな空間に・・・、
時空を超えて・・・、
ダイナミックな、源平の戦いの緊迫した戦(いくさ)の臨場感を立ち現せる・・・ということであり、
そこに、何ともいえない地歌舞の面白さと、難しさがあります。
何かそんな経験をさせていただいた格子の家での舞の会でした。
ご鑑賞いただいたみなさまにとっては、如何だったのでしょうか?
私としては・・・、
「今年の締めくくりの舞台を大好きな『八島』で終えさせていただき、有難うございました。」
という、感謝の気持ちで一杯です。
さらに、来年はよりいい舞台を勤めれるように頑張りたいと思います。
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