ゆき

『ゆき』・・・

美しいことばです。

地歌舞と言えば・・・ゆき。

ゆきと言えば・・・山村流。

しんしんと降り積もる雪・・・。

積もっては はかなく消えてゆく雪・・・。

古来、日本人にとって『ゆき』という言葉には、

特別な思いや美意識があるのではないでしょうか。

あまりにも美しいイメージが先行しすぎて、

反対に『ゆき』の実体が捉え難く。

あまりにも有名すぎて、

舞うのが怖く。

あまりにも名曲で、

そのイメージを壊さないかと怯えます。

先ずは、その美しい歌詞を紹介いたしましょう。

そして、

ぼちぼちと・・・、

私なりの『ゆき』のイメージを問うていきたいと思います。

地歌 ゆき(雪)

花も雪も 払えば清き袂かな

            ほんにむかしの 昔のことよ

我が待つ人も われを待ちけん

            鴛鴦の雄鳥に もの思い羽の

凍る衾に 泣く寝もさぞな

            さなきだに 心も遠き夜半の鐘

聞くも寂しき 独り寝の

           枕に響く 霰の音も

もしやと いっそせきかねて  

           落つる涙のつららより

つらき命は 惜しからねども

            恋しき人は 罪深く思わぬ

ことの哀しさに

         捨てた憂き 捨てた浮き世の 山かづら

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