寂光院のお地蔵様

いままでに あんな衝撃を受けたことはありません。

ほとけ様を拝して・・・

寂光院の真っ黒なお地蔵様です。

寂光院のお地蔵様は、聖徳太子作と伝えられる六万体地蔵尊ですが、

平成十二(二○○○)年五月九日発生の火災により損傷したため、

現在は収蔵庫にご安置されています。

心ない人の放火により

本堂は焼け落ちてしまったのですが・・・、

なんと!本尊であるお地蔵様はそのなかで焼け残ったのです。

まっくろなお姿に変わられて。

まるでそのお姿は、身をもって衆生済度の道を説かれているかのようです。

仏教では、お釈迦さまの入滅後五十六億七千万年後に、

人々を救済する弥勒菩薩という仏さまが現れると云われています。

お地蔵様は、その弥勒菩薩が出現するまでの仏の無い世にあって、

衆生・私達を救うのが役目です。

それは、人間界を含む地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道に赴いて、

衆生の救済にあたるとされています。

他の菩薩が天界にあって救済活動を行うのに対し、

菩薩の身でありながら六道を渡り歩く、お地蔵様・・・。

六道全ての生あるものの、つまり地獄に落ちたものまで救ってくださるのは、

お地蔵様です。

そして、臨機応変に姿を自在に変化し世の末法まで救う努力をしてくださるとか・・・。

わたしは、寂光院の真っ黒なお地蔵様を初めて拝した時、

自らの身を投げ出して仏の道を説かれるお姿に、

圧倒されて、

言葉にはならない衝撃が全身をめぐりました。

お地蔵様の魂は、

火の粉の中で残ったのではなく、

前にも増して力強いお姿と功徳をお持ちになり、

荒れ果てた世の中に何かを訴えているように思えました。

聖徳太子創建以来

源平の戦いを始めとする日本の重い歴史を携えて、

大原の里に楚々と佇む古刹・寂光院・・・。

ぜひとも、みなさまも機会がございましたらお参り下さいませ。

ご報告があとになりましたが・・・、

先日、10月21日の日曜日、

寂光院・書院での奉納舞は、

さわやかな秋晴れに恵まれ、無事済ませることが出来ました。

尊いご縁に・・・

感謝申し上げます。

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