お盆の頃となりました。
奈良から吉野に向かう 明日香の山里に『栢の森』という所があります。
奈良と吉野の『国境・くにざかい』です。
以前、
古い山の道を通って吉野に帰ろうということで、その峠を越えました。
たしか・・・、
お盆の時期だったのでしょうか・・・。
そこで、
「谷」いっぱいに張られた、結界のしめ縄(勧請綱と呼ばれるもの)を目にしました。
そのところの道端には、
『結界石』・道祖神・地蔵尊 がお祀りされていました。
彼と此の『境』を越えて、
福の神や幸・・・、あるいは、 魔・第の災いをなすものなど・・・が出入りします。
境におかれる『結界石』は、
魔・邪・災をなすものを塞(ふさ)ぎ、福や幸を招来する働きが期待されたものです。
その“境”の神は、ミシャグ神と呼ばれたりしています。
『塞ぐ』神の意でしょうか・・・。
舟の出入りする所を『港・みなと』と呼ぶように、家の戸(と)と同じく、
結界石や岩を『岩戸』と呼んだようです。
境界の岩戸です。
岩戸の奥に異界がある。
中国では、『岩』の内側には桃源郷があると考えられていたようです。
孫悟空(聖なる猿・神の使い)が、
石から生まれるという、アジア・インドに広く分布する説話もこの系統にあります。
異界との出入りは、
岩・石・・・あるいは、竹(かぐや姫)・ひょうたん等など、いろいろ考えられていたようです。
たまごが割れてひな鳥が出現することも、古代の人は不思議の一つであったのでしょう。
『岩戸』・聖なる戸が 開かれるということは、ただならぬ事態と云えましょう。
聖なるもの(神・霊)がこもり、充満している聖なる容器の『戸』が、
割れ、裂け、あるいは、開き、咲いて、神や霊が出現する。
天岩戸が開いて、アマテラス(太陽)が、出現いたします。
大咲き、大笑いがおこった と、
古事記では伝えています。
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